キャリアとは何か

学生から社会人への移行をスムーズにするため、現代では、早い段階からキャリア教育が行われています。

その際に頻出のワード、それが「キャリア」です。

ところで、皆さんは、キャリアの意味をご存知ですか?

言葉は耳に馴染んでいても、改めて「キャリアとは何か」と問われると、返答に窮するかもしれません。

確かに、感覚として何となく理解していたかもしれない・・・

言葉のとらえ方や提唱者の立場によって、キャリアの定義もさまざまです。

今回は、キャリアの語源を辿るとともに、3つの側面からキャリアの意味を見つめてみましょう。

POINT

・キャリアの語源

・多角的にみるキャリアの定義

・キャリアのとらえ方

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キャリアの語源

キャリア【career】の語源は、ラテン語の【carrus】と言われています。

carrusとは、馬車や荷車など、何かを運ぶことを目的にした、車輪の付いた乗り物のこと。

進行によってできる軌跡=轍(わだち)から、その後、「途切れることなく続いていく」という意味へと発展しました。

キャリアの定義

ここからは、「言葉の定義」「政治的な定義」「学術的な定義」の順に、キャリアの意味を確認していきましょう。

1.言葉の定義(国語辞典)

大辞林において、キャリアは次のように解説されています。

キャリア【career】

  1. 経歴。経験。
  2. 職業。特に、専門的な知識や技術を要する職業。また、それに就いている人。
  3. 日本の中央官庁で、国家公務員試験Ⅰ種合格者の俗称。 

仕事で活躍する女性を「キャリアウーマン」と呼んだり、公務員を「キャリア組」「ノンキャリア(ノンキャリ)組」と表現したり。

メディアの影響によって、2や3の意味でキャリアをイメージされる方は、多いかもしれませんね。

2.政治的な定義(行政機関)

国は、キャリアをどのようにとらえているのでしょうか。

複数の省が、それぞれにキャリアを定義しています。

細かいニュアンスは違っても、「職業」と関連している点は同じでした。

ここでは、国民の労働に関する諸任務に当たっている、厚生労働省を取り上げます。

「キャリア」とは、一般に「経歴」、「経験」、「発展」さらには、「関連した職務の連鎖」等と表現され、時間的持続性ないし継続性を持った概念として捉えられる。

上記を踏まえ、「キャリア形成」については、以下のように考える立場です。

個人が職業能力を作り上げていくこと、すなわち、「関連した職務経験の連鎖を通して職業能力を形成していくこと」と捉えることが適当と考えられる。

このように、キャリア教育における「キャリア」は、一般に「職業経験」の意味で使われています。

3.学術的な定義(科学者)

最後は、キャリア研究にたずさわる学者の定義です。

アメリカの心理学者であり、組織開発やキャリア開発に尽力するエドガー・シャインは、キャリアを次のように表しています。

人の一生を通じての仕事、生涯を通じての人間の生き方、その表現の仕方

仕事のみならず、人生にフォーカスしている点が、他の2点と異なりますね。

キャリアをより広く、発展的にとらえている印象です。

キャリア=ワタシ

これまでの内容をまとめると、キャリアとは、狭く見れば「職業経験」であり、広く見れば「人生」であると言えるでしょう。

範囲の広狭によって、焦点の当て方は異なりますが、共通するのは「自分を形成した経歴」という点です。

先述した厚生労働省の定義には、次の一節が含まれます。

「時間的持続性ないし継続性を持った概念」

ここに、キャリアの語源で触れた、「車輪が進むと同時に、かならず残る跡」と重なる点が見られました。

つまり、生きることそれ自体が、人生の経歴を作る行為(軌跡)であり、キャリアと考えることもできるのです。

時間の経過によって、途切れることなく繋がっていく・・・キャリアは、後退も減少もなく、前進と増加の連続なんですね

人生を、「時間と経験の蓄積によって、自己を形成する営み」と捉えた場合、ひとつの新たな定義が見えてきます。

キャリアとは、「ワタシ」そのものである

現在の姿は、過去のキャリアの集大成であり、未来の姿は、「今」の生き方によって、幾とおりにも展開していくもの。

そのように考えると、キャリアをデザインすることは、自分自身を創造することと、同じなのかもしれませんね。

まとめ
  • キャリアの語源「carrus」は、車輪のついた乗り物をあらわし、その後「途切れることなく続く」意味へと発展した
  • キャリアの狭義は「職業」であり、広義は「人生」である
  • キャリアの語源と広義から「キャリア=生きること=自分自身」ともいえる
  • 現在の姿は過去のキャリアの蓄積であり、未来の姿は今、自由にデザインできる