働く目的を明確にすると何が変わる?

仕事は、大切な「時間」「労力」を注ぐ活動です。

常勤の場合、多くは週40時間ほど費やすことになり、労力も相当量、奉げることになります。

ならば、貴重な資源を投入した分、「納得感」「満足感」を味わいたいものですね。

「あなたは、何のために働くのですか?」

採用面接で、企業から、このように問われることがあります。

仕事に対する、従業員一人ひとりの姿勢は、会社にとっても大きな関心事。

働く目的を明確にする

何ごとにおいても、目的をもつことは大切だと言われます。

では、それによって、何が変わるというのでしょうか?

今回は、時間を基準に、「今」という短期、「人生」という長期に分けて、起こる変化を考えてみたいと思います。

POINT

・働く目的による短期的な変化とは

・働く目的による長期的な変化とは

※この記事は約2分でお読みいただけます

短期:経験への意味づけ

ひとつ、例を挙げましょう。

A、B、C、という大工が、木を切っています。
「あなたは何をしているのですか?」と訊ねたところ、3人は次のように答えました。
A:「木を切っているんですよ」
B:「素晴らしい家を建てているんですよ」
C:「家族の安らぎの場をつくっているんですよ」

「木を切る」という行為が、Aにとっては「作業」、Bにとっては「発揮」、Cにとっては「貢献」です。

これは、同じことをしていても、「目的」の有無によって、とらえ方が変わることを表したお話です。

上記の場合、目的があるのはBとCですね。

B 木を切る → 素晴らしい家を建てる(新たな価値を創造する)
C 木を切る → 家族の安らぎの場をつくる(他者の幸せに貢献する)

両者にとって、木を切る作業は、「目的を達成するための手段」や、「実現までのプロセス」に変わっています。

このように、目的が明確になると、目の前の経験をそこに結び付けて、意味を見出せるようになるのです。

日常は地味

希望を抱いて就職した方が、会社に入って失望する一つは、「仕事が面白くない」です。

これは、会社説明会や企業訪問で知った内容を、日常だと錯覚することが、原因のひとつと考えられます。

会社がする事業や仕事の説明は、全体から要点を抜き取った「圧縮情報」です。

それを日常に分散すれば、日々は、いたって地味な作業の繰り返しになるでしょう。

また、望まない内容が、そこに含まれていることは、多々あります。

目的をもたないまま、華やかな面だけに惹かれてしまうと、現実との落差に、驚きや失望を隠せないかもしれません。

けれども、本来、仕事の面白さや楽しさは、業務の内容で決まるのではなく、自ら発見していくものです。

働く目的が明確になると、目の前の積み重ねは、達成の「根拠」になると、考えられるようになります。

そのため、環境や状況から受ける影響が小さくなり、前向きに続けることができるでしょう。

長期:自立的なキャリア形成

これまでは、働く目的をもつことで起こる変化を、「今」という短期で触れてきました。

ここからは、「キャリア」という長期で考えていきます。

キャリアとは、人生経歴のことです。

キャリアは、時間の経過とともに蓄積されますが、時々の「選択」によって、その後の展開が変わってきます。

働く目的は、その選択における、軸(拠りどころ)となるものです。

選択の軸は、ライフイベント、社会的役割、その時点における価値の優先度によって変化します。

「個人」と「役割者」、2つの角度から、働く目的を考えることが大切なんですね

したがって、定期的に自分と対話する時間を設けて、軸を明確にしていくことが、納得いく人生の選択につながります。

なお、働く目的を明確にするメリットは、それだけではありません。

人生の舵を、自ら握っているという実感

これが、大きな収穫ではないでしょうか。

組織への影響

採用場面において、企業から、働く目的を訊ねられることがある。

冒頭で、そのようにお伝えしました。

理由は、組織全体の「生産性」に影響するからです。

主体的にキャリアを形成しようとする姿勢は、能力開発の動機づけとなります。

結果、仕事のパフォーマンスが向上するでしょう。

また、個人の意欲的な姿勢は、好い刺激として周囲に波及し、「場」に活気をもたらします。

すると、全体の底上げも期待できます。

このように、個々が働く目的を明確にしているか否かは、組織の発展にも大きく関わることなのです。

最後に・・・

目的の有無に関わらず、行動すれば、その「結果」として、必ず何かを得られます。

大局的に見れば、人生に無駄なことは一つもないのかもしれません。

しかし、現実的には、発達、進歩、向上といった、「発展性」を感じられないと、私たちは、満足にいたらないことがあります。

それは、進化・成長を求めるプログラムが、インストールされているからでしょう。

目的が定まると、人は、そこに向かって「前進」し始めます。

それが、一見マイナスに思えることを、「過程」や「学習」として受け入れるなど、視野の拡大をうながします。

また、必要な情報をキャッチするアンテナが立つため、今という時間の使い方、節々の選択も変わるでしょう。

これは、瞬間という「点」では、気づけないことだと思います。

ある程度の時間が経ち、「線」となってはじめて、目的をもつという小さなことが、その後の人生を、大きく変えていたと「わかる」のかもしれませんね。

まとめ
  • 働く目的が明確になると、目の前の経験に対する意味づけが変わる
  • 意味づけが変わると、日常の地味な仕事に価値を見出す
  • 働く目的が明確になると、キャリア形成における選択の軸がはっきりする
  • 目的をもって働くと、組織の発展に直接的・間接的に貢献できる
  • 自分らしい人生をデザインするうえでも、目的をもつことは有用