「好きなこと」と「得意なこと」を仕事にするといい理由

仕事を選ぶときは、「好きなこと」「得意なこと」が、重なる業務を探すといい。

もしかしたら、就職支援の現場で、そのように勧められたことがあるかもしれません。

なぜ、好きなことや得意なことを、仕事にするといいのでしょう?

「うまく言えないけれど・・・何となく、そのほうがいいと感じるから」

中にはこのように、「感覚」として納得されている方も、いるのではないでしょうか。

そこで今回は、その理由(根拠)を、具体的にお伝えしたいと思います。

POINT

・「好き」と「得意」の違い

・「好き」と「得意」の関係性

※この記事は約2分でお読みいただけます

「好き」と「得意」の違い

皆さんは、「好き」と「得意」の違いを、どのようにとらえていますか?

好きと得意って同じじゃないの?

もちろん、中には、好きと得意が一致している場合もあります。

たとえば、アーティストやアスリートなど、その道で高い評価を得ている方は、その割合が高いでしょう。

しかし、厳密にいうと、両者は異なる性質のものです。

一般に、好きと得意には、このような違いがあります。

好きは「内側」から気づく

対象に接したり、何か行動したりする中で、「面白い」「楽しい」「嬉しい」など、快の感情が湧く。

このとき、私たちは「これが好きなんだ」と気づきます。

つまり、好きなことは単独で自覚できるという、特徴があるのです。

得意は「外側」から気づく

それに対して、得意なことは、内側からのサインがありません。

なぜなら、それは、「才能」として既に備わっているため、自分にとって「普通」のことだからです。

それが、「優れている」と気づくには、測る「基準」が必要になります。

たとえば、走るのが得意、数学が得意だと知るのは、測定記録や成績評価など、客観できる「データ」がきっかけでしょう。

また、他者から、「すごい」「うまい」と「承認」されたことで、才能に気づく場合もあります。

好きと得意を仕事にするメリット

それでは、好きなことや、得意なことを仕事にすると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

皆さんにも経験があるように、好きなことは「熱中」できますね。

また、多少、望まない状況に陥っても、諦めずに「継続」することもできます。

このように、好きなことには、自分の中から、それを「したい」というエネルギーが、自然と湧いてくるのです。

ただし、忘れてならないのは、「仕事」という点です。

趣味であれば、好きという情熱だけで満たされますが、仕事は、相手あってのこと。

つまり、「外部からの評価」を必要とします。

そこをカバーするのが、「得意なこと」です。

得意なことは、自然体でうまく出来るため、ストレスなく結果を出しやすくなります。

じゃあ、得意なことだけを仕事にしてもいいのでは?

確かに、それなら結果は出ますので、仕事として成り立ちますね。

けれども、情熱が自己生成され難いため、どこか淡々とした日々に感じられるかもしれません。

「仕事はうまくいっているんだけれど、なにか物足りなさを感じる・・・」

言葉にするなら、このような状態です。

仕事に費やす時間は、人生の多くを占めることになります。

よって、無機質な時間を過ごし続けるなか、どこかで行き詰まりを生じかねないのです。

「好き」と「得意」が重なるとき

結果を出しているアーティストやアスリートは、好きと得意が一致していることが多いと、先述しました。

他に、初めは分かれていた両者が、次第に一致してくるケースもあります。

それは、このようなプロセスによる変化です。

【好きが得意にもなる変化】

 好きなこと
  ↓
 続けられる
  ↓
 上達する
  ↓
 得意になる

【得意が好きにもなる変化】

 得意なこと
  ↓
 結果が出る
  ↓
 周りから認められる(喜ばれる)
  ↓
 好きになる

好きと得意が重なるほど、仕事に対する意欲は高まり、結果にも表れやすくなります。

さくらももこさんの例

最後に、「好き」と「得意」をうまく組み合わせた、この方をご紹介してまとめとします。

2018年8月にお亡くなりになった、漫画家のさくらももこさん。

代表作は「ちびまる子ちゃん」です。

画を描くのが好きだったさくらさんは、漫画家を目指し、中学生から投稿を始めます。

当初は、正統な少女漫画(花を背負った美少女と、星を散りばめた美少年が、手をつないでルルル~というお話)を描き続けていました。
しかし、思うように評価されないまま年月は経ち、大学受験のシーズンに入ります。
漫画家をあきらめて、進学を検討し始めたさくらさんは、校内で実施された作文テストを受けることにしました。
「まあいいや、おもしろおかしく書いちゃえ」そんな、軽い気持ちで臨みます。
ところが、「書き流したエッセイ調の文体が高校生とは思えない」「現代の清少納言」と評されるほど、思いがけず高成績を収めることになりました。
さくらさんは、これを機に、正統な少女漫画をやめて、エッセイを漫画にするという「方向転換」に出ます。
結果、作品は初入賞となり、一年後には念願のデビュー。
その後、ちびまる子ちゃんの大ブレイクで、一躍、有名漫画家に躍り出ました。

ほのぼの劇場2巻「夢の音色」より 内容を要約

「描画」と「少女漫画」は、さくらさんにとって「好きなこと」です。

それでも、好きという情熱だけでは、結果を出せませんでした。

「エッセイ」という「得意なこと」を合わせたことで、見事に社会的評価を得られたのです。

決して、さくらさんが特別ではなく、可能性は、すべての人に等しく与えられています。

好きと得意を掛け合わせれば、互いを磨きあう、相乗効果も期待できますね。

なお、起業の場合は、ここに、世の中のニーズを合わせていくことが必要です。

まとめ
  • 「好き」は内側から気づけるが「得意」は外側から気づかされる
  • 好きなことは続けられるメリットがある
  • 得意なことは結果がでやすいメリットがある
  • 仕事の満足には「情熱」と「他者評価」が必要
  • 時間の経過とともに好きと得意が一致することがある