小社とは?弊社と当社の違い|謙譲語で会社を呼ぶときの使い方

会社の呼び方にはいろいろな種類があり、目的に合わせて使い分けています。

たとえば就職活動の応募書類に書くときは”貴社”、面接で話すときは”御社”。

自分の会社を呼ぶときも、”当社”から”弊社”、”小社”までを使い分けています。

これらの表現にはどんな違いがあるのですか?

代表的な5つ(貴社・御社・弊社・小社・当社)の違いを、図でわかりやすく説明しましょう。

違いは言葉が表している位置

貴社・御社・弊社・小社・当社という表現の大きな違いは、表している会社の位置です。

全体をまとめて一覧した図がこちらです。

  • 貴社・御社…相手の会社を高めた呼び方
  • 弊社・小社…自分の会社を低めた(へりくだった)呼び方
  • 当社…自分の会社を客観的に示した呼び方

当社を除く4つは相手に敬意を示すため、相手の会社を高めたり、自分の会社を低めたりします。

つまり、尊敬語と謙譲語なのですね。

それに対して、当社は敬意の意味を含まず、自分の会社を客観的に指した表現です。

当社と自社・我が社の違い

自分の会社を呼ぶ表現としては、ほかに”自社”や”我が社”があります。

我が社と自社も相手への敬意を含まないため、位置は当社と同じです。

自社と我が社が当社と違う点は「所属意識の強さ」です。

当社は自分の会社を客観的に指していますが、我が社と自社は自分が一員であるという情緒的なニュアンスが込められます

「ウチの会社」も我が社や自社と同じように所属意識を含む呼び方ですね

なお、我が社は仲間(=我々)の意味が強いため、経営者が社員に呼びかける際に使うことが多いです。

貴社と御社を使い分ける背景

冒頭でも触れましたが、応募書類を書くときは貴社、面接で話すときは御社。

現在は、このように貴社を書き言葉、御社を話し言葉と使い分けるのが一般的です。

しかし、以前は文書で御社が使うことも、会話で貴社を使うこともありました。

両者を明確に使い分けることになった理由は、同音異義の問題です。

「キシャ」という音(おん)には、貴社、記者、汽車、帰社など、該当する漢字が複数あります。

そのため、口頭ではすぐに貴社が浮かばないことから、伝わりやすい御社を使う流れになったのです。

小社を使うときの注意点

なお、弊社と小社はいずれも自分の会社をへりくだった表現ですが、小社は「小さい会社」という意味のため、自社よりも規模や業績が小さい会社の前で使うのは失礼にあたります。

また、上場していたり大企業に分類されていたりして、世間から「大きな会社」と認知されている場合も、使用を控えたほうがよいでしょう。

自分の会社をへりくだって表現する時は、相手を選ばない弊社が無難です。

たとえば不特定多数の相手に発信するなど、へりくだる必要のない場面なら当社でも問題ありません

呼び方にも尊敬語と謙譲語がある

まとめ
  • 貴社と御社は相手の会社を高めた尊敬語、弊社と小社は自分の会社をへりくだった謙譲語
  • 小社は「小さい会社」を意味するため、該当しない会社が使うとかえって失礼になる
  • 対外的に自分の会社をへりくだるときは弊社が無難
  • 当社は敬語のニュアンスを含まず、客観的に自分の会社指している表現
  • 不特定多数の相手に対する発信など、へりくだる必要のない場面なら当社も対外的に使える
  • 自社と我が社は当社と同じ位置だが、所属意識を含む点が当社と異なる

今回は、会社の呼び方について、貴社・御社・弊社・小社・当社の違いと使い方をお伝えしました。

それぞれの大きな違いは会社の位置です。

なお、現在はルールのようになっている「貴社は書き言葉、御社は話し言葉」という使い分けは、もとから区別されていたわけではありませんでした。

伝わりやすいとの理由から使い分けられ、それが定着したという経緯があります。

言葉は情報や意思を伝える道具です。

その時代に合わせて、使い方もいろいろと変化しますね。